第19回一次試験結果

試験の概要

試験日
2025年8月24日(日)
試験会場
札幌・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・鹿児島・那覇
試験内容・時間割

筆記試験(マークシートによる多肢選択方式および記述方式)および小論文試験

午前(マーク方式)
10時30分~11時30分(60分)
午後Ⅰ(マーク方式・記述方式)
12時50分~14時20分(90分)
午後Ⅱ(小論文方式)
15時00分~16時30分(90分)
申込者数
134名
受検者数
109名
問題数
午前
マーク方式 50問(マーク数 50) 配点 100点
午後Ⅰ
マーク方式 6問(マーク数 13) 配点 38点
記述方式 6問(解答項目数 13) 配点 62点
午後Ⅱ
小論文方式 1問(800文字以上1,000文字以内)
合否判定
 午後Ⅱの試験は、午前、午後Ⅰ(マークシート試験、記述式試験)の判定基準をともに満たす者を採点対象とし、判定基準に示す観点から評価判定を行う。午前、午後Ⅰ、午後Ⅱのすべての試験の成績が、判定基準を満たした者を一次試験の合格とする。

試験の講評

 一次試験の問題は、マーク方式と記述方式の問題(午前・午後Ⅰ)ならびに小論文方式の問題(午後Ⅱ)によって構成しました。午前・午後Ⅰの問題は、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系に限定せず、公表している「上級医療情報技師の一般目標及び行動目標群(GIO・SBOs)ver.1.6」から万遍なく出題しました。

 午前の問題では、医療情報技師能力検定試験と同程度の基礎的な知識を確認する問題を中心に、上級医療情報技師が知っておくべき最近の動向に関する問題も出題しました。また、午後Ⅰの問題では、多肢選択方式の問題だけでなく、長文を読解し、記述する問題を出題しました。同時に、単なる想起型ではなく、解釈型や問題解決型を重視しました。午後Ⅱの問題では、提示された課題文を読み、そこで述べられている内容を解釈し、課題文に対する自分の考えを800文字以上、1,000文字以内で記述する試験を行いました。

 午前、午後Ⅰともに、医療情報の最新動向を問う問題を出題しました。上級医療情報技師には、医療情報システムに関連する最新動向を把握し、理解する能力が求められます。このうち、医学・医療統計や臨床研究に関する問題は、いずれも正答率が高くありませんでした。上級医療情報技師は、保健医療福祉分野におけるデータの管理と分析・利活用を適切に行える必要があります。

 午後Ⅰの選択問題の問5では、電子カルテのレスポンスタイム測定から得られたデータを分析する過程において、代表値を適切に選択できるかを問いました。A病院のデータには外れ値が存在するため、平均値ではなく中央値を用いる必要があります。データ分析では、数値をそのまま処理するのではなく、分布の特徴を理解し、適切な指標を選択できることが不可欠です。また、記述問題の問7では、「サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)策定の確認表(厚生労働省、令和6年6月)」に記載されている「平時の備え」として具体的に行うべきことを問いました。BCPは形式的に作成するだけでは不十分であり、常に最新の脅威や制度改正を意識し、時代に即した取り組みを継続していくことが必要です。上級医療情報技師は、医療機関において情報セキュリティ対策を牽引する役割が期待されており、時代に即した技術や脅威の変化に適応できる幅広い知識の獲得に努めることが求められます。

 午後Ⅱの問題は、課題文を読み、病院情報システムに生成AIを導入する場合の課題と対策についての自らの考えを述べるものでした。答案の作成にあたっては、課題文の趣旨を正確にとらえて、問いに的確に答えること、自らの考えを論理的にまとめて記述することが必要です。採点においては、広い視野で課題の全体像をとらえているもの、具体的に自らの見解を述べているものを高い評価としました。一方、設問の趣旨に沿って書かれていないもの、自らの考えが述べられていないもの、論旨が不明瞭であるもの、課題には関係がない内容を記述したもの、あるいは課題文をまとめずそのまま記載したものは低い評価としました。また、論文の体裁が適切でないもの、文字数が不足しているもの、誤字・脱字が多いもの、段落分けがないものなどは減点しました。

 午前の平均得点(得点率)は71.5点(71.5%)、午後Ⅰの平均得点は70.0点(70.0%)でした。午後Ⅱの採点は、午前60点(60.0%)以上かつ午後Ⅰ60点(60.0%)以上の方82名を対象に行いました。その結果、今回の一次試験の合格者数は26名、合格率23.9%となりました。

判定基準

午前(マーク方式)・午後Ⅰ(マーク方式+記述方式)

 午前と午後Ⅰの得点がそれぞれ以下の基準得点以上であることを判定基準としました。判定基準をともに満たす者を午後Ⅱの採点対象とした。午前、午後Ⅰで判定基準に満たない場合は、午後Ⅱの採点は行っていない。

区分 基準得点
午前 60点
午後Ⅰ 60点

午後Ⅱ(小論文試験)

 午後Ⅱの小論文試験は、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容について自分の考えを記述するものである。小論文試験の採点は、下記の5つの観点から行った。採点にあたっては、5名の採点者がそれぞれ小論文を読み、独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行った。

  1. 問題の指示に基づいて記述しているか。
  2. 課題の全体像を正確にとらえているか。
  3. 自身の見解が明確な論旨で述べられているか。
  4. わかりやすく、説得力のある記述になっているか。
  5. 見解は上級医療情報技師として適切か。

試験結果

午前・午後Ⅰ

午前 午後Ⅰ
受検者数 109名 109名
満点 100点 100点
最高点 94点(94.0%) 100点(100.0%)
最低点 44点(44.0%) 37点(37.0%)
中央値 72点(72.0%) 71点(71.0%)
平均値 71.5点(71.5%) 70.0点(70.0%)
標準偏差 10.4点 11.9点
判定基準を満たした者 94名 91名
午前と午後Ⅰの得点がともに判定基準を満たした者の数 82名

午後Ⅱ

受検者数 採点対象者数 判定基準を満たした者
午後Ⅱ 109名 82名 26名

総合判定

 午前、午後Ⅰ、午後Ⅱのすべての試験の成績が、判定基準を満たした者を一次試験の合格とした。なお、午前、午後Ⅰの部分合格はない。

受検者数
109
合格者数
26
合格率
23.9%

一次試験合格者一覧

  • M100002
  • M200006
  • M300003
  • M300010
  • M300016
  • M300018
  • M300026
  • M300028
  • M300036
  • M300037
  • M500003
  • M500010
  • M500012
  • M500013
  • M500014
  • M500015
  • M600003
  • M600015
  • M600016
  • M600025
  • M600030
  • M650002
  • M650005
  • M710003
  • M800009
  • M800011

試験解答