講評

　第23回医療情報技師能力検定試験は、前年度と同数の全国13会場で実施し、計3,089名の方に受検していただきました。

　今年の出題問題では、「医療情報システム系」の「問23」については正解を一つに絞り込めないことから受検者全員を正解としました。出題作業の開始時期を早め、確認にかける時間を増やしておりましたが、不適切な出題となってしまい、たいへんご迷惑をおかけいたしました。問題案の作成後の確認方法を改めて検討いたします。

　各系の合格判定基準点は、「情報処理技術系」66点以上、「医療情報システム系」76点以上、「医学・医療系」66点以上としました。全体の合格率としては35.2%と、例年と同程度の水準となりました。

　昨年に比較して、情報処理技術系と医療情報システム系で平均点があがり、医学・医療系では平均点が下がりましたが、出題時に想定した平均点と大きく乖離するものではなく、合格率も例年の水準を維持していることから、医療情報技師に求める知識について適正な内容での試験になったと考えています。

　それぞれの系での状況は、以下のとおりです。

〇「情報処理技術系」
　全体として、特に低い正答率の設問がありませんでした。平均点が昨年度、または出題時の想定よりも少し高くなったことから全体として平易になったともいえますが、医療情報技師に求められる情報処理技術に関する知識の確認としては適切な出題ができたと考えます。

〇「医療情報システム系」
　昨今の話題を反映したガイドラインや臨床研究に関する問題など、いわゆる時事問題を中心に正答率が悪くなっており、これは受検者にとって難問または知らない問題となってしまっていることが伺えます。一方、昨年度より平均点は上昇しており、易しい問題と知らない問題との差が少し大きく出た可能性があります。

〇「医学・医療系」
　今年度も全体的に正答率が高くなりましたが、リアルワールドデータに含まれるデータの種類、画像検査の中でも高精細さが要求される検査、統計の検定手法について問う問題において正答率が低くなっていました。各データに含まれる内容や分析手法についての理解が不足していたと思われます。また、検査で求められる要件についての理解も不足していたと思われました。

　今回の能力検定試験の結果、医療情報技師と認定された方は、自覚と自信を持って、日常業務のなかで専門性を発揮されるよう願っています。同時に、将来、上級医療情報技師にチャレンジしていただけることを期待しています。

　一方、保留となられた方、またこれから新たに受検される方は、３系の領域に関して総合的な知識が必要であること、また、単一の知識ではなく複合的な理解が必要な事項もあることを確認の上、次回の医療情報技師能力検定試験で合格されることを願っています。

Ⅰ．医療情報技師能力検定試験実施状況

１．日程

2025年（令和7）8月24日（日）

２．受検者数

13会場、受検者総数　計3,089名　（2024年度　2,974名）

Ⅱ．医療情報技師能力検定試験　合否判定について

１．合否判定基準および科目合格者数

２．総合判定（過去2年間に科目合格があるが3科目の合格ではなく保留となっていた者も含む）

合格者数

計1,086名

合格率

35.2％

認定者・科目合格者一覧

医療情報技師認定者一覧

• 第23回　医療情報技師認定者一覧

科目別合格者

• 第23回　科目別合格者－情報処理技術系
• 第23回　科目別合格者－医療情報システム系
• 第23回　科目別合格者－医学・医療系

科目別解答

• 第23回　情報処理技術系
• 第23回　医療情報システム系
• 第23回　医学・医療系